発電所の交代勤務の実態|4直3交代と4直2交代を全部経験した運転員の話

交代勤務のリアル全部見せますのアイキャッチ

発電所の求人で「4直3交代」「4直2交代」って書いてあるけど、実際どんな生活になるのか正直イメージ湧かないですよね

しかも同じ「4直3交代」の会社でも、勤務表の見た目がそっくりなのに実質の休みが1日変わったりします

俺は10年以上、3交代も2交代も、順回転も逆回転も、後で書く「A方式・B方式」の両方も、全部経験した運転員です

この記事では、求人票の勤務形態4文字では絶対に見抜けないポイントまで踏み込んで書きます

※業界の一般用語では「正循環/逆循環」と呼ぶんですが、この記事では現場で聞き慣れた「順回転/逆回転」で通します

目次

結論:発電所の交代勤務は「3交代か2交代か」「回転方向」「基準日」の3軸で決まります

先に結論から書きます

発電所の交代勤務を求人票で判断するなら、見るべきは3つです

  • 3交代(4直3交代)か2交代(4直2交代)か
  • 順回転か逆回転か(3交代の場合)→ 休みが実質8時間変わる
  • 夜勤の「基準日」がA方式かB方式か → 休みが実質24時間変わる

勤務形態表記が同じでも、この3軸の違いで生活はまるで別物になります

「4直3交代」の4文字を見ただけで「はいはい、あのシフトね」と決めつけると、入社してから「話が違う」となりかねません

磁力マル

業界一般の呼び方は「正循環・逆循環」でち!この記事は現場の口語で通すから、覚えるのは1回だけで大丈夫でち!

発電所の交代勤務の全体像(3交代・2交代のシフトパターン)

まず全体像から

発電所は24時間365日止まらないので、複数の班が交代でずっと運転を回します

「4直」というのは4つの班(チーム)が交代で24時間を埋める体制のことです

4直3交代:夜・昼・夕方の3勤を4班で回す

3交代は1日を3つの時間帯に分けて、それを4班で回します

時間帯は会社ごとに結構バラバラで、例えばこんなパターンがあります

  • 例A:1勤 22時〜8時(夜勤10h)/2勤 8時〜16時(昼8h)/3勤 16時〜22時(夕方6h)
  • 例B:1勤 6時〜14時/2勤 14時〜22時/3勤 22時〜6時(8h/8h/8hの均等割)

「1勤が夜勤の会社」もあれば「1勤が昼の会社」もあります

均等に8時間ずつ割る所もあれば、夜勤だけ長めに取る所もあります

求人票の「4直3交代」だけでは、この時間割まではわかりません

4直2交代:12時間勤務を4班で回す(3勤3休か4勤4休)

2交代は1回の勤務が12時間になります

時間帯の例はこんな感じです

  • 例A:8時〜20時/20時〜8時
  • 例B:7時〜19時/19時〜7時

そして2交代の代表的な休みの入り方は2種類あります

  • 3勤3休:111休休休222休休休(3連勤して3連休)
  • 4勤4休:2211休休休休(2勤2回・1勤2回のあとに4連休、2と1の間は24時間空く)

図1:3交代の時間帯パターン(一例/会社ごとに違う)

スクロールできます
勤務名時間帯パターンA時間帯パターンB
1勤22:00-08:00(夜勤10h)06:00-14:00(早番8h)
2勤08:00-16:00(昼8h)14:00-22:00(遅番8h)
3勤16:00-22:00(夕方6h)22:00-06:00(夜勤8h)

図2:2交代の代表的な休みの入り方(一例/1・2は勤務、休は休日)

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日目12345678910
3勤3休111222
4勤4休221122
電力ニキ

求人票の「4直3交代」の4文字にどれだけ情報が詰まってないか、これで少し伝わったと思います

3交代の「順回転」と「逆回転」で休みが8時間変わる

(一般には正循環/逆循環と呼ばれるやつです)

ここから独自論点に入ります

3交代の求人票を見ても、順回転か逆回転かはまず書いてありません

でもこの違いで、夜勤明けの休みが8時間も変わります

順回転(1→2→3)と逆回転(3→2→1)の違い

言葉の定義はシンプルで、1勤→2勤→3勤の順に進むのが順回転、3勤→2勤→1勤の逆が逆回転です

以下、1勤=夜勤(22時〜8時)と想定して書きます(会社によって1勤が昼のこともあるので、あくまで1例と思ってください)

  • 順回転:111休休222休333休
  • 逆回転:111休休333休222休

パッと見はどちらも「3日勤めて1日明けて1日休み」の繰り返しに見えます

逆回転は明けの休みが実質「8時間」長い

でも実際に時間を計算するとハッキリ差が出ます

  • 順回転の「111休休222」:夜勤明け8時 → 2日後の8時から昼勤スタート=約48時間の休み
  • 逆回転の「111休休333」:夜勤明け8時 → 2日後の16時から夕方勤スタート=約56時間の休み

差は約8時間

夜勤明けの8時間の重みは、経験した人にしかわからないと思います

俺は両方経験して逆回転派です

理由は2つで、単純に休みが長いのと、夜勤の後に夕方勤を挟むから体のリズムを戻しやすいこと

夜勤明けからいきなり朝の昼勤に戻すのは、正直きついです

もちろん順回転派の人もいるので、これは俺の場合の話です

図3:順回転と逆回転で、夜勤明けの休みが約8時間変わる(一例/1勤=夜勤想定)

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日目12345678
順回転111222
逆回転111333
スクロールできます
パターン明けの時刻次の勤務開始実質休み
順回転(1→2→3)4日目 08:00 明け6日目 08:00(2勤=昼勤)約48時間
逆回転(1→3→2)4日目 08:00 明け6日目 16:00(3勤=夕方勤)約56時間
磁力マル

たった8時間じゃないでち!夜勤明けの8時間は寿命が延びるレベルでち!

順回転の罠「333休111」=実質休み24時間

順回転にはもう1つ、勤務表の字面で数えると事故る箇所があります

「333休111」というブロックです

3勤(夕方勤)の終わりが22時、そのちょうど24時間後の22時から1勤(夜勤)が始まります

間に「休」の文字は入ってますが、実質は24時間ぽっきりの休みです

勤務表の休マスを字面で数えて「休みがいっぱいある」と喜ぶと、実質時間で見たときにガッカリします

求人票では絶対に見抜けない「夜勤の基準日」問題

ここが記事のハイライトです

これを知らずに転職すると、入社してから「話が違う」となります

だからこそ、勤務体系のこういう細部は入社前に必ず確認したほうがいいと俺は思っています

A方式(入り日基準)とB方式(明け日基準)

勤務表に「5日が夜勤」と書かれていたとします

これがA方式かB方式かで、実際の勤務開始時刻が変わります

  • A方式:5日の22時から夜勤が始まる(夜勤入り日基準)
  • B方式:4日の22時から夜勤が始まる(夜勤明け日基準=勤務表の日付は明けた日を指す)

同じ「5日夜勤」の記載で、勤務開始日が丸1日違います

A方式は勤務表の見た目上「夜勤明けの日が休表記」で並びます

B方式は「夜勤入りの日が休表記」で並びます

同じ「111休休222」でも実質休みが24時間変わる

具体例で書きます

同じ「111休休222」という勤務表があったとして

  • A方式:最初の「休」は夜勤明けの日=午前中は寝てる時間 → 実質休みは1日半
  • B方式:最初の「休」はまるまる1日休み → 実質休みは2日半

同じ勤務表表記で、実質の休みが丸1日変わります

これが求人票では絶対に見抜けない罠です

図4:同じ「111休休222」でも、A方式とB方式で実質休みが丸1日変わる(一例)

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項目A方式(入り日基準)B方式(明け日基準)
勤務表「5日夜勤」の意味5日 22:00 から夜勤開始4日 22:00 から夜勤開始
「111休休222」の最初の「休」夜勤明けの日(午前は寝てる時間)まるまる1日休み
実質休み時間約1日半約2日半
勤務表の見た目明け日が「休」表記で並ぶ入り日が「休」表記で並ぶ

転職検討時は必ず確認するポイント

面接や内定時に、「夜勤の基準日は入り日基準ですか、明け日基準ですか」と聞いてください

俺は両方式とも経験がありますが、生活の見え方はまるで違います

年間の連休の作りやすさ、有給を差し込んだときの効き方、家族との時間の取りやすさ、全部変わります

電力ニキ

これを知らずに転職すると、入社してから「話が違う」ってなります 求人票見て「同じシフトだ」と思っても中身は別物です

3交代の会社を比較しているなら、こちらの記事も参考にしてください

2交代と3交代、体はどっちが楽か

俺自身、両方経験した上での率直な感覚を書きます

体感で言うと、3勤3休より4勤4休の方が楽という声が周りでは多いです

俺自身も同意見で、4勤4休の方が体に合っていました

2交代のメリットはハッキリ大きいです

  • 年間の半分が休み
  • 有給1つで12時間分の休みになる(1回の重みが大きい)
  • 有給3日で簡単に9連休が作れる
  • 俺の最長記録は有給6日で15連休

俺は15連休を使って海外旅行に行きました

2交代は1回の勤務時間が長いのは事実ですが、発電所は基本的に肉体労働が少ないので12時間でも成立します

肉体労働メインの現場だと12時間はきついと思いますが、運転員の仕事は監視と操作が中心なので、そこは大きい

「2交代を知ってしまうと3交代には戻れないかも」というのが俺の正直な感覚です

ただし両方経験して3交代派の人もいます

「12時間は長すぎる」「毎日リズムを作れる方がいい」という考え方も理解できます

きつさの深掘りはこちらでも書いてます

休憩・仮眠と欠員補充のリアル

12時間勤務や10時間勤務の間、いつ休憩を取るのか

そして欠員が出たときにどう埋めるのか

求人票からは絶対に読めない部分です

法定は「1時間」・実態は「3時間」

まず法律のラインをハッキリさせておきます

労働基準法34条では、労働時間が8時間を超える場合は「少なくとも1時間」の休憩を与えることになっています

12時間勤務でも、法定の最低は1時間

「12時間勤務なのに1時間しか休憩がないの?」と思うかもしれませんが、それが法定ライン

ただし現実問題、12時間で休憩1時間は無理があるので、多くの会社は就業規則や労使協定で上乗せしてます

俺が経験した会社の例では、12時間勤務で1時間45分の休憩が最低ラインとして設定されていました

そして実態ベースだと、会社と班のリーダー次第ですが、トータル3時間くらいの休憩が取れることが多いです

その3時間で、飯を食い、仮眠を取ります

トラブルがなければ発電所の場合、9割方これくらい取れます

もちろんトラブルがあった場合は、飯だけ食って労基通りの1時間しか取れないこともあります

磁力マル

法定と会社基準の違い、混ぜて話すと事故るでち!「法律で最低これ」「うちの会社ではこれ」で分けて聞くのが安全でち!

欠員が出ると他班補充、残業はほぼない

発電所の交代勤務は通常運転なら残業はほぼ発生しません

引き継ぎ制で、次の班が来たら自分は帰る、という運用です

じゃあ人が足りない時どうするかというと、基本は他班からの補充です

3交代の補充パターンは2種類

  • 3勤者(夕方勤の人)がまるまる早出残業して穴を埋める
  • 1勤者と3勤者が半分ずつ、残業と早出で分けて埋める

2交代の場合は、そもそも12時間×2で1日が埋まってるので残業では埋まりません

なのでまるまる他班の休日出勤で埋めます

これが後で書く「休日出勤の割増率」の話にも効いてきます

手当と割増賃金のリアル(お金の話)

数字が絡む話は、他の記事だと薄くなりがちなので、ここは強めに書きます

ただし全部「俺が経験した会社の一例」です

会社によって全然違うので、そこは前提として

残業なしで月5万円上乗せの内訳

俺の場合、残業ゼロでも月5万円くらいは交代勤務での上乗せがありました

夜勤の回数で前後しますが、平均するとそれくらい

内訳は大きく3つ

  • 交替手当(会社が交代勤務者に対して支給する固定手当):月1.5〜2万円くらいが民間相場(大手企業中心の統計から)
  • 深夜割増25%(労基法37条・22時〜5時の労働に対する法定割増):夜勤の回数と時給で数万円
  • 会社によっては別途「夜勤手当」(夜勤1回あたりいくら)が加算される所も

計算のカラクリはシンプルで、深夜割増だけで月2〜3万円、交替手当で1.5〜2万円、これで月4〜5万円は現実的なライン

図5:残業ゼロで月5万上乗せの内訳(一例/会社によって幅あり)

項目目安金額(月)内容
交替手当15,000〜20,000円交代勤務者への固定手当(民間相場)
深夜割増25%20,000〜30,000円22:00-05:00の労働に対する法定割増
夜勤手当(会社次第)0〜10,000円夜勤1回あたりの任意手当
合計約40,000〜50,000円残業ゼロでもここまで乗る

割増率の10%差(法定休日と時間外)

労働基準法37条で決まっている割増率をおさえておきます

  • 時間外労働(法定8h/週40h超):25%以上
  • 法定休日労働(週1日の法定休日に働く場合):35%以上
  • 深夜(22時〜5時):25%以上

法定休日と時間外の差はちょうど10%

(この10%差が付くのは法定休日限定です)

俺の体感でも「休日出勤の方が残業より1割くらい多いな」と感じていたので、法定値と完全に整合します

ちなみに10%差が付くのは「法定休日」に働いたときです

法定休日ではない「所定休日」の扱いは会社によって違います(法的には所定休日出勤は時間外25%扱いになるケースもあります)

これも俺の場合の一例ですが、夜勤をまるまる休日出勤で入ると1回で約2万円以上プラスになります

さらに会社によっては緊急呼び出し手当があって、予定外に急遽休日出勤になると1日で3万円稼ぐこともあります

年末年始の一撃4万パターン

年末年始とGWは、交代勤務の給料が跳ねる山場です

俺が経験した会社の例だと

  • GW手当:出勤するだけで1日+3,000円くらい
  • 12月30日、1月2日:+7,500円
  • 大晦日〜1月2日:+1万円
  • 1月3日:+5,000円

これは会社の任意手当なので、額は会社によって幅があります(法律上の義務ではありません)

でも「出るだけで美味しい」ので、有給を取らずに出勤する人が多いです

さらに元日に残業が付くと、手当が2つ分乗ります

「出るだけで給料+手当2万円」+「元日残業割増」で一撃4万円になることもあります

図6:年末年始の日ごと手当額(一例/法律義務ではなく会社の任意手当)

スクロールできます
日付手当額
12/30+7,500円
12/31+10,000円
1/1+10,000円
1/2+7,500円
1/3+5,000円
電力ニキ

お金の話を数字で出せる書き手が少ないから、ここは「一例」と言いつつ強めに書きます

年収全体の話はこちらで書いてます

交代勤務は健康に悪い?向き不向きの話

正直に書きます

健康第一で選ぶなら、夜勤はしない方がいいというのが俺の率直な意見です

ただし発電所の夜勤は、看護師や工場の夜勤に比べたら遥かに楽なのは実体験ベースで保証できます

これは、常時走り回るような仕事ではないから

制度面で言うと、深夜業に従事する人(月4回以上の深夜業が目安)には6ヶ月に1回の健康診断が義務付けられています(労働安全衛生規則13条)

会社が定期的に健康を見る仕組みがあるのは、地味だけど安心材料です

磁力マル

深夜業の健診が制度で守られてるのは大事な事実でち!

向き不向きの話をすると

  • 昼間に寝られない人は向いてません(意外と多いです)
  • 身体が弱い人も向いてません、夜勤は免疫力が落ちやすいです
  • 逆に、夜起きて働くのが苦にならない体質の人は普通に続きます

俺のリズム戻し方は少数派で、夜勤明けに無理やり起きる派です

夜勤明けは3時間だけ寝る、もしくは寝ないで過ごすこともあります

一番確実に翌日のリズムに戻せるけど、明け当日はきつい

周りに聞くと明けはがっつり寝る人の方が多いです

昼にがっつり寝ても夜も普通に寝られるタイプの人は、こっちで問題ないです

俺は昼寝すると夜眠れなくなる体質なので、無理やり起きる派に落ち着きました

これは適性の話なので、方法を一般化するつもりはありません

何歳まで続けられるかの話はこちら

まとめ:発電所の求人票を見るときに必ず確認する4項目

長くなったのでまとめます

発電所の交代勤務求人を見るとき、勤務形態4文字だけで判断せず、以下の4項目を必ず確認してください

  1. 3交代か2交代か(2交代なら3勤3休か4勤4休か)
  2. 順回転か逆回転か(3交代の場合、明けの休みが8時間変わる)
  3. 夜勤の基準日はA方式かB方式か(実質休みが24時間変わる)
  4. 手当構成(交替手当・深夜割増・夜勤手当・年末年始手当)

求人票の勤務形態4文字だけで決めると、入社してから「話が違う」になります

面接や内定時、遠慮なく上の4項目を聞いてください

答えを濁される場合は、求人票では見えない部分を面接や質問で確認しておくのが安全です

電力ニキ

ここまで読んだ人なら、求人票の見え方が変わってるはずです

発電所の仕事に興味を持った方は、入口記事や資格まとめもどうぞ

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この記事を書いた人

工業高校卒 | 火力発電所歴10年以上の現役運転員
汽力・GTCC(ガスコンバインド) | 石炭・ガス焚き | 横河・三菱・富士電機製DCS|計7ユニット運転経験
趣味はキャンプと釣り

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